南井三鷹の竹林独言

汚濁の世など真っ平御免の竹林LIFE

現実空間の居心地良さ

僕にとっては、ネット空間より現実空間の方が断然居心地がいい。
最近、そういうことを確信するようになった。
その理由は、僕がどうしても「対面的コミュニケーション」を前提としている人間だからだと思う。

僕は顔が見えないネット空間でも、顔を合わせた時と同じようにコミュニケーションができる人としか付き合いたくない。
簡単に言えば、「ネット人格」みたいなものと関わりたくない。
裁判で顔を合わせたら弁護士ともども一言も反論できない幼稚な人間が、SNS上ではやたら偉そうな発言をしていたりするのは醜悪極まりないものだ。
面と向かって何も言えないならば、ネットでも言わないでもらいたい。

僕はそういうのが嫌なので、ネットでの批判は名前を出してやるようにしていたが、
名前を書いて相手の損になる事実を示せば、それが批判や抗議に必要であっても名誉毀損にできるという法のあり方を知って、
ネットが対面的コミュニケーションを前提としてはいけない場所になっていることを悟った。
相手の特定ができない陰口であるかぎりは、どれだけ誹謗中傷をしようが不法行為ではないのだ。
法律なんてその程度でしかない。

ただ、SNSを通じても「ネットでも顔を合わせた時と同じようにコミュニケーションができる人」と知り合えたのは事実だ。
僕はSNSでそういう人をフォローしてきたつもりなので、フォローした人の数がだいぶ少なかったが、
その方々と現実で会うことになったことも少なくないし、会って違和感のある人は驚くほどいなかった。
そして、おそらく彼らとはSNSをやらなければ知り合うことはなかった。
その点においては、SNSの利点を認めないわけではない。

ただSNSでは、あまりに無責任な発信ができてしまう。
それが問題なのはその通りだが、無責任さを権威主義で解決しようとする人がこの国には大勢存在している。
そうなると、結局は権威に従うことの無責任さについては放置される。
日の丸をつければ何を言ってもいい、という輩が大量生産されたりする。
それを可視化するのもまたSNSであり、かなりウンザリさせられるのも事実だ。

僕は個人発信のためにインターネットを利用しているが、
そのために現実よりメディア空間を好んでいる趣味オタクと、接続することになってしまった。
そんな人はもとより相手にしていないのだが、批判されること自体が耐えられないらしく、
作品を通した作者への批判と個人への嫌がらせの区別もつけられずに、向こうから勝手に僕を敵視して個人攻撃をしてくる。
僕はそれを迎え撃っただけなのだが、僕に権力の支えがないために、僕の方が悪人にされることもしばしばだった。
相手から個人攻撃を受けなければ反撃しない「専守防衛」の僕が、なぜ悪く扱われるのかよくわからないが、
こういうことが当たり前になったから、「専守防衛」よりアメリカの支えが重要ということになるのかもしれない。

僕はネット空間と関わるより、現実で仕事をしている方が充実できる。
僕の仕事は対面的なサービス業なので、自分の資質に合うと思っている。
ただ、仕事なので楽ではない。
昨年は弁護士なしの本人訴訟で、裁判の文書や証拠を自作し、答弁で裁判官に相手の加害性を示したりしながら、仕事もやらなければならなかったが、
仕事上の成績は例年以上の結果だったし、お客様からの感謝も多く寄せられた。
そういう結果を残すには、俳句雑誌にゴミ記事を書くために有給休暇を取る人間にはわからない、普段からの努力があっただろう。
(もちろん、これは現実の仕事で結果を出せ、という話ではなく、ネットでも現実でも相手を軽々しく扱うな、という話だ)

しかし、現実逃避のために創作の真似事をしている連中を、落ちぶれた出版マスコミが必要としている。
なぜならこの人手不足の社会状況で、落ちぶれた文学賞などに熱心に応募するのは、暇を持て余している連中になるはずだからだ。
堕ちた精神と共犯関係にあるマスコミに、まともな社会的評価をする力などあろうはずもない。
こうして日本の商業文学は空洞化し、文学賞の「権威」だけで商売をするだけになった。
権威主義に依存した文学などもはや文学ではない、と言える人すら商業作家には一人もいない。

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

プロフィール

名前:
南井三鷹
活動:
批評家
関心領域:
文学・思想・メディア論
自己紹介:
     批評を書きます。
     SNS代わりのブログです。

ブログ内検索

最新コメント

[04/03 往来市井人]
[03/10 イチコ]
[03/08 往来市井人]
[02/16 枝蛙]
[02/15 枝蛙]

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3
5 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31